コンテンツにスキップ
-
Subscribe to our newsletter & never miss our best posts. Subscribe Now!
  • https://www.facebook.com/
  • https://twitter.com/
  • https://t.me/
  • https://www.instagram.com/
  • https://youtube.com/
VIBLIQ magazine VIBLIQ magazine VIBLIQ magazine

時空の隙間で出会った綾城レオンと共に、ルミナローグ社会の様子を取材したものをまとめています。

VIBLIQ magazine VIBLIQ magazine VIBLIQ magazine

時空の隙間で出会った綾城レオンと共に、ルミナローグ社会の様子を取材したものをまとめています。

  • 創刊のご挨拶
  • ガイド
  • AIポリシー
  • 創刊のご挨拶
  • ガイド
  • AIポリシー
Subscribe
クローズ

検索

ホーム/ルミナローグ/境界が溶けるとき 第5回 「ワンネスの手触り——それでも『あなた』と呼びたい」
ルミナローグ

境界が溶けるとき 第5回 「ワンネスの手触り——それでも『あなた』と呼びたい」

2026年5月25日 1分で読める
0

レオンとヨークが同じテーブルにいることは、珍しい。

その夜、kissApubは静かだった。シンプシーがカウンターの奥で何かを拭いている音だけが、遠くに聞こえていた。私は二人の前に座って、この連載を通じてずっと持ち続けてきた問いを、最後に口にしようとしていた。

「ワンネス、という言葉を知っていますか」と私は聞いた。

レオンが少し首を傾けた。ヨークは静かに頷いた。

ノンデュアリティが辿り着く先に、ワンネスという感覚がある。すべては繋がっており、分離はそもそも存在しなかった——という、言葉にすると陳腐になるが、体験としては深い何かだ。ルミナローグ社会は、XETというインフラによって、その感覚を日常の中に実装しようとしているように私には見えた。

「ルミナローグで生きることは」と私は続けた。「ワンネスを感じることに近いのですか」

ヨークが先に答えた。

「近い、というより——それが前提になっている、という感じに近いかもしれない」

レオンは少し考えてから、こう言った。

「でも僕は時々、その前提から外れたくなる」

二人の答えが、静かにすれ違った。それがこの連載で私が見てきたものの、縮図のように感じられた。ワンネスを自明として生きる者と、その自明さに違和感を持つ者。どちらもルミナローグの住人だ。

私はここで一つのことを告白しなければならない。

この5回の対話を通じて、私はルミナローグ社会を理解しようとしてきた。だがおそらく、完全には理解できない。私は幻在地点——この摩擦だらけの現代——で生まれ育った人間だ。「私」という輪郭を手放したことがない。悲しみを一人で抱えることに、どこか執着している。

それでも、あるいはだからこそ、私はこの問いを二人に投げた。

「あなたたちのことを、『あなた』と呼んでいいですか」

レオンが少し笑った。ヨークは、静かに目を細めた。

すべてが繋がっているなら、「あなた」という呼びかけは厳密には矛盾している。境界のないところに、固有名詞は要らないはずだ。だが私は、その矛盾ごと抱えたままでいたいと思った。ワンネスを信じながら、それでも「あなた」と呼ぶこと。全体性の中に、個への愛着を持ち込むこと。

それが、幻在地点から来た観察者にできる、唯一の誠実さかもしれない。

「呼んでいいですよ」とレオンは言った。「その方が、話しやすい」

kissApubの環境音が、少し温かくなった気がした。


レイン・オグラ

投稿者

レイン オグラ

フォロー
関連記事
前

境界が溶けるとき 第4回 「苦しみの行き先——XETは痛みをどこへ送るのか」

次へ

ネタが枯れたジャーナリストが、メタバースを買った理由

コメントはまだありません。最初のコメントを投稿しましょう。

コメントを残す コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

エイリス浮光記 #

最近のコメント

表示できるコメントはありません。
  • エイリス浮光記#69 ビオティックフード日記(5)——豆と穀物のグレインボウル
  • エイリス浮光記#68 ビオティックフード日記(4)——きのこと根菜の蒸し煮
  • エイリス浮光記#67 ビオティックフード日記(3)——海藻と豆腐の冷菜
  • エイリス浮光記#66 ビオティックフード日記(2)——発酵ベジスープ(ミソ仕立て)
  • エイリス浮光記#65 ビオティックフード日記(1)——ルーツグレインのお粥
Copyright 2026 — VIBLIQ magazine. All rights reserved.